大阪産業大学 田原研究室(Advanced_Rocket_Lab.)
ようこそ!大阪産業大学 工学部 機械工学科 宇宙推進ロケット工学研究室へ!!
 
  
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  7) 宇宙ゴミ処理技術の開発

地球周回軌道に存在する、役目を終えた人工衛星やロケットなどを「スペースデブリ(宇宙ゴミ)」と呼んでいます。宇宙開発の進展に伴い、スペースデブリは年々増加の一途をたどっており、将来的には人類の宇宙活動の妨げになる恐れがあります。本学研究室ではデブリ除去用のOSU-4 衛星の製作を目指しています。OSU-4 衛星は,OSU-2 衛星の技術を応用して地球低軌道上のデブリを電気推進機により除去することを目的とした超小型衛星である。このOSU 衛星4 号機は目標デブリへの接近,デブリとの距離をある程度確保するための加減速と,衛星 2 号機と比べ多くのパターンによる姿勢制御が必要である。よって OSU-2 衛星で確立した姿勢制御方式を応用して衛星の制御を行う.またOSU-4衛星は50 kg,0.5 m級の人工衛星を想定しており,除去するデブリも衛星4号機本体と同等の50 kg,0.5 m級のサイズを対象として開発を進めている.運用が終了した超小型衛星を人為的に大気圏に突入させ,デブリとして地球低軌道帯に残さないことを目的としている.OSU-4衛星のイメージ図を図1に示す。OSU-4衛星によるデブリを人為的に降下させる原理を述べる.OSU-4衛星とデブリの関係の概略 図を図2に示す. 図2 超小型衛星 OSU-4 とデブリの関係 デブリは重力と遠心力の釣り合いによって軌道 上を周回している.そこでOSU-4衛星はデブリの 前方をデブリと同速度で航行し,前方からデブリ に対し電気推進機の噴出流を照射し,反力(力 積)を与え,デブリを減速させ遠心力を低下させ る.遠心力が低下することにより,重力と遠心力 の釣り合いが崩れ,デブリは重力に引かれ降下するという仕組みである.またこの時,デブリは減速していくが衛星4号機は加速していき,デブリ からの距離が離れていく.そこでデブリとの距離 を保つため,OSU-4衛星の前方にも電気推進機を 搭載し噴射させ,デブリと同等の減速をする必要 がある.これまでいくつかのデブリ除去方法が検討されて きたが,本方法では,衛星はデブリに接触する必要 が全くなく,非常に安全であり,かつ現状の技術で 達成可能であると考える.もちろん,本方法を実現 するには,さら簡便な軽量システムであり,効率の 良く大きい力積を与えることができる電気推進システム,さらには衛星姿勢制御システム,デブリ追尾 システムの開発が必要不可欠である.


   図1osu-4イメージ図          図2衛星とデブリの関係図


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